皆さんこんにちは。
普段から何気なく接している物事にも歴史があるんだなと痛感したお話。
建築の世界にも「坪」や「尺」などの単位がありますが、「メートル」だけでなく2×4の住宅では「インチ」等の表記も出てきたり、新人時代は「統一してくれ!」と思った事もありました。
本日、東住吉区T様邸の耐震補強工事が終わりました。
今回は屋根の葺き替え、外壁の補修(+塗装)とコボットによる壁補強で大阪市の補助金100万円を受け取る事にになりました。
工事も大詰めに差し掛かった頃、今回のお施主様は寝具製造を生業とされている方だったのですが、棟梁とお施主様と雑談していた際に、正式な座布団に存在している向きについて教えてもらいました。
そもそも本格的な座布団は正方形ではなく人間の脚の幅と膝下の長さが異なる事から「やや長方形」になっており、長い方と体の側面が沿うように座るべきだそうです。
もちろん前後も存在しており、縫い目のない方が前で…
房の付いている場所が上である様です。
※落語の高座用の座布団は入れ替わり毎にひっくり返すので房は付いていませんが、もちろん笑点の山田さんも必ずこのルールは守られているそうです。
しかしその割には大相撲で飛び交っていた座布団は正方形で本格的な座布団ではなさそうなんですよね…
そもそも「間」「尺」「寸」と言った寸法は大昔から続く日本人の体にに合わせた寸法の為、本当の意味では尺寸の方が理に適ってはいるのですが、現在はメートル記載が一般的になっており、楽天やAmazonでは残念ながらメートル表記で販売されています。
ですが建材でも波板の販売などは尺での表記が続いていますね。
時代の流れに少し寂しさも感じますが、作法や尺度一つ取っても奥が深いんだなぁと感じた現場でした。
Tさま!この度は本当にありがとうございました!