地震が発生する原因には大きく分けて2種類あるといわれています。
ひとつは先日発生した、東北地方太平洋沖地震の様に、プレート同士のせめぎ合いで起きる「プレート型地震」。
もうひとつは「直下型地震」と呼ばれる、海底プレート等の動きにより地下から生じるエネルギーが、内陸部を変形させ地層にずれが生じる際に起こる地震です。断層は一度できると、次からはこの断層に沿ってずれが生じ地震が起こります。
この様にしてできる断層のうち、現在でも活動しているとみられるものを特に「活断層」と呼びます。
現在日本には約2000程の活断層があると言われており、まだ発見されていないものも含めれば、さらに多くの活断層があるとされています。
その中でも、大阪の周辺は断層の集まりで、大阪湾は東西南北すべて活断層で取り囲まれています。
株式会社ナカタのすぐそばにも、上町断層帯に属する「長居断層」が走っています。
そして大阪湾の東側に上町断層があります。
この上町断層は、今後30年の間に地震が発生する確立の最大値が3%以上とされており、我が国の主な活断層の中では高いグループに属することになります。
上町断層は、大阪の町の直下を縦断しています。大阪市の直下を通り、堺市まで全長約45kmあります。
上町断層のずれは、1万年程度の間隔で繰り返されていますが、前回の地震から1万5000年~9000年以上経っており、もはやいつずれが起きてもおかしくない状況に差し掛かっています。
もしもこの断層で地震が起きた場合、大阪周辺域に甚大なる被害が出ることが想定されています。
大阪府の上町断層についての被害想定は以下のようなものとなっています。
中央防災会議の想定では、上町断層帯地震の規模は阪神大震災を上回るマグニチュード7・6。被害は死者総数4万2000人で首都直下型地震で想定されている数(全壊・焼失85万棟、死者1万3000人)の約3・5倍です。
大阪の中心街、豊中市、吹田市、堺市がそれぞれ震度7 、それらの周辺地域は震度6強で、大阪市危機管理室の被害想定によると、大阪市内の建物のほぼ55%が全半壊するとされています。
大阪市内には旧建築基準法時代の古い木造住宅が未だ多く存在しており、またその密度も全国トップクラスであることが被害想定数を引き上げている要因となっています。阪神淡路大震災時に死亡原因の80%を占めたのが「建物倒壊による窒息など」であった事から考えても、その被害の大きさは計り知れません。
現在大阪府でも、大阪市をはじめとする各自治体において、災害に備えて被害を少しでも食い止めるべく、住宅の耐震診断・改修補助制度が設けられ、住まいの耐震化が進められています。
明日、起きるかもしれない地震に備えて、是非耐震診断を受けられる事をおすすめします。
備考:もし、どこに断層が存在しているか知りたい場合は、国土地理院のページ(http://www1.gsi.go.jp/geowww/bousai/menu.html)より、全国の断層位置図をみる事ができます。又、この地図は本屋さんでも購入が可能です。