先日発生した、ニュージーランド地震から1週間目を迎える今日、死者は140人を越え、行方不明者は200人以上に上っています。
今回の地震で、多数の日本人の方も被災されましたが、その原因の一つとされているのがCTVビルの倒壊です。
元々ニュージーランドは、日本と並ぶ地震大国であり、日本や米国と並び、世界のトップクラスの耐震技術を持つと言われています。
ニュージーランドでも、1992年と2008年に耐震基準が改定されてきた歴史があります。改定のたびに基準は厳しくなっていますが、実際の改修が進まない現状があるといいます。
これには、金銭的な問題等により、新しい基準の建物の新築か、歴史的建造物の耐震改修が優先され、一般の古い建物の改修は進まないといった背景があるようです。これはニュージーランドでも日本も同じだと言えます。
今回のCTVビルの倒壊ではビルのバランスの悪さが被害を拡大させた可能性が指摘されています。
倒壊後のビルをテレビなどで見ると、前面のフロア部分はほとんど倒壊し、背後の階段とみられる部分は残っている事が分かります。
建物の1カ所だけが強い構造を持っていた場合、地震のとき、そこを中心に回転するような現象が起きることにより、同じ建物でも構造の弱い部分に特に被害が集中することが阪神大震災のときにも確認されています。
又、CTVビルは昨年の九月と十二月にも地震による損壊を受けており、数メートルの亀裂が建物にいくつも入っているような状況で、人々は心配しながら建物を利用していたそうです。
同じような規模の地震が今日、日本の何処で起きたとしても少しもおかしくない状況です。
その日に備えて、できるだけ被害を少なくする為、悲しむ人を出さない為、最新の耐震基準に基づいた改修をしていく必要があると強く感じざるを得ません。