最近の行政から委託の耐震診断は市役所の今期予算もほぼ終了し、だいぶ落ち着いてきました。
今回は、先月の中旬くらいに行いました出前講座でご応募いただきましたお宅の耐震改修工事をご紹介いたします。
築年数は昭和48年で木造2階建て、今回は昭和56年以前の建築物ということで市役所の助成金を利用してお客様負担5,000円で耐震診断を行いました。
耐震診断書報告後、前向きに補強計画を考えて行きたいと言われましたが、非常に重たい建物でしたので、屋根の軽量化が必要と思われますが、近年、屋根を淡路瓦に葺き替えされたばかりなので、大変、厳しい補強計画になりそうです。
補強案作成・・・数日後
補強案1.0プランは、屋根を軽量化にしての耐震壁補強工事だったのですが、近年に屋根を葺き替えたばかりだったので、屋根を葺き替えずに、壁だけの補強で、上部構造評点が、最低0.7以上まで上げるプランをやりたいとの事でした。
今年の4月から、大阪府下でも一部、上部構造評点を0.7以上にする工事でも費用を補助する制度が始まりました。
現行の建築基準法と同じ程度の強度を確保するには1.0以上が必要です。
0.7以上でも大丈夫か?という疑問も出てきます。下の表を見てください。これは、東南海地震で被害が心配されている愛知県の専門家が出した表です。
愛知県の全ての木造住宅の上部構造評点を0.7以上にすると、予想死者数も減少しています。
又、改修費用も半分ほどで済みます。
もちろん、絶対は有りませんが、0.7よりも1.0。1.0よりも1.5といった具合に、数値が上るほどに家の被害は少なくなり、
被災後の修理も無く、避難所に行くことなく生活が出来るようになるわけです。
1.0以上を目指して頂きたいのですが、こういった段階を踏んで耐震改修していく事も良い事だと思われます。
今回、耐震改修工事で撮影した写真を紹介します。
(壁補強 10ヶ所 )
開けてビックリ!!なんと、以前のリフォームの際、建具を大きめにした為に耐力壁線上にある梁を受けている柱をバッサリ!!切断されていました。
慌てて急遽、補強箇所のプランを変更しました。
大手の工事業者でリフォームをしたとの事でしたが、ビックリしました。
このような事例は残念ながら少なくありません。
お客様も信頼してくれている分、見えない部分だからこそ、きちっとした施工をやりたいものです。
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和室と押入にコボット(ステンレスブレース)と構造用合板を設置した写真です。
大きなお宅でしたので、補強箇所も多くなりましたが、しっかり評点を上げることが出来ました。