吹田市のK様邸の耐震改修工事が完了しました。
現在はご夫婦二人で暮らされているお家ですが、将来息子様に譲るために最後のプレゼントとして耐震補強をすることに決められました。
吹田市に関しましては、他の市町村と同じく「昭和56年5月31日」(※1)までの木造住宅は「耐震診断・設計・改修」それぞれに補助制度が設けられています。
補助額も、「補強設計費」を最大10万円、「耐震改修工事」も70万円(所得により最大90万円)となりまして、家の方のご負担がぐっと減ります。
また、評点(※2)も、1.0以上に引き上げる改修はもちろん、0.7以上に引き上げる場合も同額の補助がでます。
今回のK様邸には0.7以上を目指した耐震改修工事を行いました。
まずは、耐震改修工事で必須といわれる「屋根の軽量化」を行いました。屋根の葺き替えに関しては、また次の機会でお話しさせて頂きます。
そして、やはり耐震改修のメインは「壁の補強」です。
壁の配置バランスを取りながら、必要な箇所の壁を補強していきます。
既存の状態です。和室の仕上げはじゅらく壁です。
まずは解体作業です。回りが汚れないよう、養生もきちんと。
補強用のステンレスブレスを設置する際、柱と梁の接点部分に取り付けるため、補強部の天井を切り取ります。
柱や梁・土台などの接合部分の引き抜き防止に金具を取り付けます。
これが耐震改修でミソとなる、「コボット」と呼ばれる金具です。もちろん大臣認定を受けている製品です。圧縮されても非常に強い卵の形からこの形状が考えられました。
そして「筋交い」の代わりとなるステンレスブレスをコボットを対角に結ぶよう設置します。わざと固いものを使わないのは、地震のチカラを逃がしながら家を支えるといった考え方からきています。柔道でいう「柔よく剛を制す」ですね。
蓋をしていきます。面材も。「構造用合板」といわれる強度の強い壁を設置しました。
クロスの下地を作って・・・
お客様が選んだクロスを貼り付け、完成です。
これらの工程の工事を必要な補強箇所数だけ行い、耐震改修が終わりとなります。
昨今、関西は大きな地震はありませんが、それ以外の地域では震度6を超える地震が相次いでいます。
特に南海地震は今まで定期的に起こってきた地震です。いつ来るか分からない地震に怯えるよりも、いつ来てもいいように出来る対策は皆様にも真剣に取り組んで頂きたいと思います!
(※1)これより以前の建物は、旧耐震の基準で建てられており、耐震性が低く倒壊の可能性が高い建物がほとんどです。
(※2)建物の強度を表す数値。建物の立地条件や重量・形・面積に対し、壁の強度や配置バランスを計算し、出された数値。