こんにちは、株式会社ナカタの今西です。
今回はふとしたきっかけから見つけました”井戸”にまつわるお話し。
夏の日差しも眩しい頃、兵庫県神戸市は東灘区を訪れたある日の事。
車も多く行きかい賑やかな街並みを外れた遊歩道の一角に見慣れない
モノがありました。
大きな輪をクルクル回して流れる水は非常に冷たく、とても気持ちの良いものでした。
田畑に併設したものや古い霊園にて今は目にする機会がめっきり減った手動式の井戸。
大都市神戸の街中にて思いがけない出会いとなりました。
はじめ、防災の観点から阪神の震災後に設置が進んだものと考えておりましたが
詳しく調べますと色々な事が判りました。
◆酒作りの町・東灘区◆
私得意のインターネット検索ヤ〇ーによりますと、東灘区近郊は日本を代表する
大手酒造メーカーが立ち並ぶ酒作りの町。
水に自信あり!と旧来より設置のあった井戸は元より景観に馴染むよう
街作りの一環として象徴となる井戸の設置が震災前からあったそうです。
その為、1995年の震災当初、酒蔵近くにお住いの方々などがこれらの井戸に
大変助けられたとの事。
◆災害時協力井戸とは◆
先の災害時の大活躍は元より、阪神の大震災は新世紀の防災減災への
様々な教訓・知見をもたらす事となりました。
その一つに災害時にそなえ避難場所となる様な公園の模様替えがあります。
お住まいの地域にも子供さんが集まり、ラジオ体操が開かれる様な大型の
公園で広くみられる防災用のベンチがそれにあたります。
(一度は目にした防災用ベンチ)
公園整備の一環に水道を引き込んだ水場とは別に井戸を設ける事も震災を契機に
注目を浴びました。
それらとは別に旧来より家庭用に設置のあった井戸をご家庭の協力の元
災害時に開放して頂ける”災害時協力井戸”という仕組みが出来ました。
活動に参加しても良いという市民のかたのご協力の元、掲示のある井戸が対象となります。
当然家庭用ということもあり良識ご理解の元、互いに声を掛け合って頂く事が
求められます。
この協力井戸は各自治体へのお問い合わせが主になりますが
大阪府ではインターネット上にて一部公開があります。
くわしくは各自治体へご確認くださいませ。
さいごに。
阪神の震災から今年の大阪北部地震の間に皆様も含め、私も多くの事を体感し学ぶことがありました。
国自治体と大きな枠組みはもとより手が届く”身近”な事も大事。
改めて防災減災の意識が高まったことは元より、自治体という大きな輪だけではなく、学校区、
町内会の防災の輪だけでなく周囲8件のご近所付き合いからご家庭の皆様、最小は各個人。
防災意識の高まりがあって細かな編み目を為す小さな輪の集合こそが大きな災害に立ち向かい
被害を最小に食い止めることが出来るのではないかと感じました。
まずは今回の記事が皆様の何かご参考になれれば幸いです。
以上