皆さんこんにちは。神戸支店の宮島です。
年末に耐震診断を行った高槻市のN様邸にて、柱脚部の補強工事を行いました。
地震による家屋の倒壊原因は大きく4つに分けられます。※()の中は人間に例えて説明しています。
① 地震の揺れの強さに抵抗する壁の強さが足りない。(骨はあるが揺れに耐えるだけの筋肉が足りない)
② 東西と南北の壁配置バランスが悪い。(左右の足の筋肉の量が違う為、弱い方への負荷が大きくなる)
③ 地震に対して木材の繋ぎ目が弱い為、柱などの骨組みが抜けてしまう。(骨がすぐ脱臼してしまい自立する事すらできなくなってしまう)
④ 白蟻の被害や木材の腐朽などで家屋が傷んでいた。(骨がスカスカ)
耐震補強の工事では、主に①~③の項目を補うのですが、今回は③のお話。
耐震診断を受ける全てのお客様は「今住んでいる家の安全性はどのくらいなのか」を求めてらっしゃいますが、耐震診断は新築の基準まで耐震性を向上させる方法(補強箇所や金額まで)が全て明らかになります。
…が!お家によっては耐震の壁補強以外に、屋根の葺き替えや基礎の新設、浴室の解体(リフォーム)などが必要になり、金額面で断念せざるを得ない状況のお客様もいらっしゃいます。
※そういった付帯工事が不要なケースもあります。
そこで③へ直結する有効な地震対策として、こういった「外付けホールダウン金物」があります。
ホールダウン金物の良い所は、以下NHKの番組を見て頂ければよく分かります。
動画の3:39秒、周りの2階建て家屋が倒壊しているのに3階建の家屋だけが倒壊を免れている衝撃的な絵面が出てきます。
理由としてこの建物には重要な柱に「ホールダウン金物」が入っていた為、この建物は助かっていると言う事。
今回はこのホールダウン金物を外から付けてしまう工事です。
まずは取り付ける前に部品の過不足を確認。
固定する柱の位置を見つけ出して…
穴を開けます。
基礎のコンクリート部分はボルトのネジが効かないので、ボルト周りは化学薬品(ケミカルアンカー)でガチガチに固めます。
そして外側からホールダウン金物を取り付けます。
今回は合計4カ所の主要な柱へホールダウン金物を取り付けしました。
誤解を生まないよう補足しておきますが、ホールダウン金物は前出の①に対して”地震に抵抗する壁の強さ”を補う訳ではありませんので「これが万全」と言う訳ではありませんが、耐震補強工事と比べると、費用をかなり抑えながら、わずか1日の工事で有効な地震対策が行えるのでおススメですよ。
偶然ですが、阪神大震災から25年、上の動画に出てきたお寿司屋さんがニュースに出ていました。
[阪神大震災で母犠牲の上野さん「頑張る姿見せたい」 東灘区のすし店継ぐ]
今回、N様邸の外付けホールダウン金物工事は特に奥様がお子様の為にもやっておきたいと仰っていました。
回りまわっていつの時代も変わらない母親の愛を見た瞬間でした。
N様、ありがとうございました。