この度のお話しは、滋賀県草津市において耐震補強工事のもようを書かせていただきます。
このお家は、昭和62年に建てられていまして、外壁はモルタル、屋根はカラーベストというスレート屋根で、つい最近に外壁と屋根を塗装された、とてもキレイなお家でした。
耐震診断の診断方法の説明の際、「外回り・お部屋の中・屋根裏・ふところの中・床下を目視確認、設計図面がありましたが、いちからお家の平面図を確認・作成させていただきます」と伝えますと、ご主人、奥様からは「大変ですね」とひとこと。
診断時間はお家の大きさにもよりますが、2~3時間はかかります。
無事、耐震診断が終わり、その日確認しました箇所の診断写真の説明をしまして、後日、耐震診断結果のご報告となりました。
今回のこのお家は、壁の配置のバランスが悪いため、上部構造の評点が低く、『倒壊する可能性が高い』と判定されてしまいました。もちろん、改善するための耐震補強のご説明もさせていただきました。
ただし!単純に耐震補強といいましても難しい問題もあります。
「補強する壁の箇所が多い=工事を行う部屋数が多い」となることで、金銭面や生活面で、二の足を踏まれる方が多いです。
今回の耐震補強案は、補強箇所が1階は玄関・廊下周り、2階は和室一部屋でしたので、ご主人・奥様にも「これで補強できるのなら…」と施工させていただくこととなりました。
1階部分の補強はコボット(耐震補強部材)を既存の壁の中に施工します。コボットというのは簡単に説明しますとステンレス製の筋交いです。
2階部分の補強はダイライト耐震かべ「かべ大将」という耐震パネルで、これもコボット同様、既存壁の中に施工します。
補強部材が施工できましたら、石膏ボードや構造用合板を取り付けまして、最後にお客様に選んでいただいたクロスを貼り仕上げとなります。
工事が無事完了し、お客様に「ありがとうございました」とお声掛けした際に「部屋がきれいになったし、安心できました!」とおっしゃられた時はとても嬉しく思いました。
常々わたしは思うのですが、お家の補強を考えていくのではなく、長年住んだお家をご主人・奥様の力で守っていくと考えていけば、今後起こりうる大地震に対して、前向きに考えていけるのではないか。
私はこの記事を読まれた方で、今後のお家の将来のことを考えていかれるのなら、まずは耐震診断を受けられるのが必須です。診断ではお家の耐震強度だけがわかるのではなく、お家の状態、また今後痛みが出てきそうなところ、色々わかります。もちろん、悪いところ探しをするわけではありませんから、良いところも実はたくさん発見できることがあります。
この度は、記事にさせていただいた草津市のお客様には誠にお世話になりました。また末永いお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。
■今回の工事のもようです。
●1階は、コボットで耐震補強です。
耐震補強システム金物『コボット』柱脚柱頭金物『フリーダムコーナー』
耐震補強システム金物『コボット』柱脚柱頭金物『フリーダムコーナー』
●2階はダイライト耐震かべ「かべ大将」で耐震補強です。