耐震と制震のダブル対策で
繰り返しの地震から家を守ります
対象となる家屋
平成12年以降に建てられた家屋
耐震リフォーム済みの家屋
木造家屋の地震対策には、「耐震」「免震」「制震」の3種類の対策があります。
しかし「耐震」対策だけでは、1回の大きな地震に耐えられても、複数回の大きな地震には耐えられない可能性があります。
平成12年に施行された現在の耐震基準(建築基準)は、
震度6強や震度7といった大地震に対して複数回耐える想定をしていません。
熊本地震では…
震度7が2回
震度6強の地震が2回
震度6弱の地震が3回
と複数回繰り返し襲って来たため、平成12年以降の新耐震基準の住宅でも倒壊すると言う新たな問題が浮き彫りになりました。
本震を受けてダメージの残った状態の家屋は、その後の余震に耐えられず倒壊することがあります。
熊本地震では、1度目の揺れには耐えられたけれども、2度目の揺れで倒壊してしまった家屋が多くありました。
地震による家屋の傷みは蓄積されます。
「阪神・淡路大震災に耐えられたから大丈夫」ではなく、次の地震にも耐えられるのかを考えておかなくてはいけません。
そこで
耐震済みの家屋に、繰り返しの地震に強い
「制震対策」を行うことが注目されています。
制震とは?
家屋の壁の内部にエネルギーを吸収するシステムを設置して、地震の揺れを“吸収して” 抑える地震対策のことをいいます。
耐震、免震、制震の違い
耐震・免震・制震は、すべて家屋に対する地震対策ですが、施工内容や効果が違います。
耐震
(揺れに耐える)
筋交いや合板を使うことで、震度6強に1度は耐えますが、その後の強度は低下してしまいます。
免震
(揺れを伝えにくくする)
建物と地面を絶縁して揺れを伝えにくくするのが免振です。
課題は250万円以上の価格と地盤に対する制約があることです。
制震
(揺れを吸収して抑える)
家屋の壁の内部にエネルギーを吸収するシステムを設置して、耐震性をできるだけ持続させるのが制震です。低価格で工事しやすいのが特徴です。
戸建て住宅の地震対策では、「耐震」対策された家屋に対して、
「免震」か「制震」対策を行います。
制震対策を行うメリット
制震対策リフォームのメリットは、低価格で工事がカンタンで、繰り返しの地震に強い点です。新築時の耐震性をできるだけ持続させることができます。
「制震」のメリット
- 低価格
- 耐震(250万円以上)や免震(400万円以上)に比べ、低価格(80万~100万円)で施工が可能です。
- 工事がしやすい
- 工事は耐震や免震にくらべて非常に簡単で、工期は7日〜10日前後で可能です。
- 繰り返しの揺れに強い
- 住友ゴム工業株式会社製造の「高減衰ゴム」を使用。登録有形文化財である京都府の「東本願寺 御影堂」でも採用されています。
制震リフォームは次の条件が必要です
- 平成12年以降の家屋
- 耐震リフォーム済みの家屋
そもそも制震リフォームは、耐震リフォーム済みの家屋か、耐震の基準を満たした平成12年以降に建てられた家屋に行います。
あくまで一定基準(耐震診断上の評価が1.0以上など)の抵抗力(耐震性)を備えた住宅への制震リフォームでないと制震リフォームをする意味がありません。
制震リフォームの施工の流れ
①事前調査
家屋の図面を作成します。時間は2時間程度で終了します。
※家屋購入時の設計図面があると早く終了しますが、設計図面だけでは調査は終了しません。
※お客さまの立ち会いが必要です。
②見積提出
一週間から10日程で設置箇所のご説明(お見積のご提出)が可能です。
③工事
工事は約7日〜10日間ほどになります。設置箇所の工事は一部屋ごとに行います。
先ずは設置箇所の柱と梁に施工が可能にする為、設置箇所の壁と天井と床を解体します。
解体で露出しました柱・梁・土台へ制震の部材を「ハの字」と「逆ハの字」で取り付けします。
制震部材の取り付け箇所はクロスの下地を作り、工事箇所だけでなく、部屋全体のクロスや床を貼り替えて完成になります。
※基本的に施工箇所は一階の四箇所(二部屋〜三部屋の工事)になり、二階への取り付けはありません。
※クーラーの取り外し有無や貼り替えるクロスや床のグレード等で金額の前後がございます。
- 商品名
- S-Plus(エスプラス)
- 製造元
- 住友ゴム工業株式会社
- 概要
- 高減衰ゴム使用した木造住宅用制震装置です。家の壁などに設置します。
S-Plus(エスプラス)の特長
- 住友ゴム工業株式会社が製造
- 高減衰ゴムによる高い効果
- 60年効果不変
制震対策についてわかりやすく説明した動画です。
動画を再生するには、videoタグをサポートしたブラウザが必要です。
制震リフォーム料金
建物1件あたり
80万円〜100万円
※建物の面積と仕上げ材により前後します
制震工事は地震の揺れを制する部材を、壁の中へ埋め込む工事を行います。
一般的な大きさのお家の場合ですが「1件あたり4箇所(1階のみ)」と数が決まっていますので、施工箇所のクロス貼り替えも含めまして、建物1件あたりが上記の金額となります。
耐震工事と違い、制震工事で補助金を利用する事が出来ません。
よくある質問
- 制震と耐震の違いを教えてください。
耐震工法は地震に耐える工法、制震は地震の揺れを抑える工法の事を指します。
他にも免震と言う工法もありますが、それは建物へ地震の力を伝えない(力を逃がす)工法の事を指します。
日本の法律で定められている耐震の基準は「1度目の大地震に備えて命を守る」事を想定しており、2016年の熊本地震で、震度7の地震が2度起きた事は全くの想定外でした。
そのため1度目の地震でダメージを受けた家屋が2度目→3度目の地震で耐えきれず倒壊してしまう事例が今では問題視されています。
費用面では耐震→制震→免震の順で高くなりますが、耐震性については平成12年6月に今の建築基準法が出来ていますので、平成12年6月以降に建築確認を通している建物は基本的に耐震性が備わっていると言う事になります。
- 耐震診断で「倒壊する可能性が高い」と判定されてしまったのですが、耐震工事をしなくても制震リフォームをすることで家屋にかかる地震の揺れは少なくなりますか?
なりません。
制震リフォームは、あくまで耐震性が備わっている(もしくは評点が1.0以上)家屋が地震のダメージを受ける事で2回目や3回目の地震に対して、弱くなってしまう事を効果的に防ぐことができます。
逆に平成12年6月以前(もしくは評点が1.0以下)の建築物の場合、1回目の大地震に対する備えがありませんので、先ずは耐震改修工事をする事が前提になります。
- 制震リフォームに各市町村の補助金は使えますか?
使えません。
各市町村の補助金は「古い基準で建てられた地震に耐える力(耐震性)が低いとされる建築物の耐震性を向上させる」と言う考えに基づいていますので、制震リフォームで耐震の補助金を利用する事ができません。
- どういった工事を行いますか?
学校の校舎などで見かける耐震工事と同じ様に外から行うのですか?それとも家の中の工事ですか? お部屋の中から行います。
制震部材を設置した際に最も効果が高い箇所をメーカーと吟味し柱と梁と土台へ「ハの字」+「逆ハの字」になるように取り付けします。
壁の中に埋めてしまいますので、お部屋の中やお家の外側に部材が露出する事はございません。工事後は工事前と同じ様に生活する事が出来ます。
- 費用はいくらくらいですか?
一般的な大きさのお家で80万円から100万円前後になります。
- どれくらい効果が出ますか?
明確な表現が難しいですので、こちらの動画をご覧いただければと思います。
動画を再生するには、videoタグをサポートしたブラウザが必要です。
- 地震がとても怖いので、ハウスメーカーに耐震性を高くするよう耐震等級2で建ててもらった築2年目なのですが、制震リフォームは必要ですか?
必要です。
A1の最後の方でも少し触れていますが、家屋は建築基準法に法って建てられている為、新築の建てたばかりのお家でも耐震基準しか満たしていない状況です。
制震リフォームは地震が家屋に与えるダメージを効果的に防ぎますので、二の矢、三の矢と大地震がお家を襲った際に大きく効果を発揮(ダメージを軽減)します。
今、日本は地震の「活動期」と言われており、大きな地震が日本全国の各地で頻発しています。
テレビなどでよく騒がれている南海地震は、その活動期の中で必ず発生すると言われています。
しかし注意すべきは南海地震だけではなく、関西では上町断層・生駒断層・有馬高槻断層など、注意すべき大地震を孕んでいる断層は他にも存在する為、これから新生活を進めていく人にこそ必要なリフォームと言えます。