床や基礎の補修工事は、家に長く住んでいく上では必須のメンテナンスとなります。建物を支える部分となりますので、ここの強度が不十分な場合、柱や壁がゆがむ原因にもなり、家が長持ちしません。
普段は目につかない箇所なので、どのような状態になっているのかわからず、床がへこむ・ギシギシいうなどの症状が現れて、心配されている方も多いのではないでしょうか?
住宅の床下では、地震による基礎のひび割れ、床下の湿気やシロアリなどが原因で建物が傷んでいることがあります。耐震診断を受けて、状態を確認することをおすすめします。
床下、基礎・シロアリの補強工事の種類
床下、基礎・シロアリの工事には、主に「基礎補強工事」「シロアリ駆除・防除」「断熱」の3種類があります。
基礎補強工事
耐震などを目的として、住宅の基礎を強化する工事になります。
まずは床をあけて、基礎の状態を確認します。築50年を超えるような古い家の場合、土の上に設置された「玉石(たまいし)」と呼ばれる石の上に柱が載っているだけの状態である可能性もあります。
築30〜40年程度の家であれば、1階の柱の下のみをコンクリートで支える「布基礎(ぬのぎぞ)」と呼ばれる工法が主流でした。現在の新築住宅では、全面を鉄筋コンクリートで支える「ベタ基礎」であることがほとんどです。
基礎を確認した結果、鉄筋が入っていないコンクリート基礎であれば、新たに鉄筋コンクリート基礎を増し打ちする方法や、炭素繊維シートを施工して強度を出します。
シロアリ駆除・防除、湿気の調整
床下をあけると、コンクリートの基礎に沿って土の筋ができていることがあります。これは「蟻道(ぎどう)」といって、シロアリが地面から基礎の柱へと作っている通路であり、家がシロアリの被害にあっている証拠です。
シロアリは湿気を好み、湿気が強い床下へと集まってきます。タイル貼りのお風呂、タイル貼りのトイレなどは水分が多く、被害の多い箇所です。また、工事の際に床下の掃除が甘かった場合、木材や木くずが基礎に残されていることがあり、そこにシロアリが寄ってくることもあります。
シロアリは光と乾燥を嫌うため、木の内部だけを食べてしまうので、パッと見ただけでは被害がわかりにくいことが多く、注意が必要です。基礎の全面にコンクリートが施工されているベタ基礎の場合でも、水抜き用の穴や、亀裂からも侵入してくることがよくあります。
シロアリ駆除の薬を散布
シロアリの被害が確認されたら、防除・駆除用の薬を散布します。木部には穴をあけて中に薬を注入します。
樹脂で地面を固めてシロアリと湿気をシャットダウン
その後、「テクノガード工法」と呼ばれる方法で、土から湿気やシロアリが上がってこないようにします。これは、乾くと固まる樹脂のようなものを基礎の土をに散布して固めることで、湿気もシロアリも同時に上がってくることができないようにする、根本的な駆除ができるものです。湿気対策としては、調湿剤の入ったシートを施工する方法もありますが、それよりも持続性が高く、根本的な対策になるのでおすすめです。
床の断熱
床の断熱性が低いと、冬場、暖房で部屋を暖めても熱が天井へと上がってしまい、床下からの冷気が上がってくるので、頭は暑くてぼーっとするのに、足元だけ寒いという状態になります。これでは、いくら暖房をかけても寒いままなので、光熱費がかかってしまいますね。
その場合は、床に断熱工事をするのが効果的です。
具体的には、根太と呼ばれる床下の板を支える柱の間に断熱材を施工する方法と、床板の裏に発砲プラスチック系の断熱材を吹き付ける方法の2種類があります。
床の断熱工事をすると、冬場の床近くの温度が8度近くも上昇するという調査結果もあります。特に、フローリングの床の家の方は効果を感じやすいと思いますので、足元の冷たさにお困りの方は、床の断熱工事をご検討ください。
基礎補強工事、湿気調整、シロアリ駆除・防除の費用の目安
工事の内容により値段が変わりますが、目安としてはこのくらいになります。
シロアリ防除においては、1平米 2,500円が標準価格となりますので、1階の面積で算出すると料金がどのくらいになるのか分かります。
基礎補強工事
シロアリ駆除・防除
床下の調湿
床・基礎の補強、シロアリ駆除・防除におすすめの商品
水性アクリル樹脂による防湿・防蟻テクノガード®工法
テクノガード®工法は、土壌に水性アクリル樹脂による強固な防蟻・防湿皮膜を形成する工法です。処理層に含まれる防蟻剤が白蟻の侵入を防ぐとともに、土壌からの湿気を大幅に抑え、床下に発生する、「カビ」や「腐れ」を抑制します。
従来の防湿工事でよくある、土台にコンクリートや防湿シートよりも短い時間で施工できるので(1日で工事が終わります)費用を抑えられる他、防蟻剤の効果で、シロアリも完全にシャットアウトできます。
床の断熱カネライトインサー
カネライトインサーは、床の他、壁、屋根の充填断熱に対応可能です。カネライトフォームに特殊なスリット加工を施し、伸縮性を持たせた断熱材で、柱間、根太間、たる木間に所定の寸法のカネライトインサーをギュッと縮めてはめ込むだけで隙間なく施工できます。2×4工法、在来工法にも使用できます。
木部処理用のシロアリ防除剤サイゴー油剤
シロアリに対して速効性を有します。臭いの少ない低臭性の油剤です。
木材の防蟻効果、防腐効果、防カビ効果に優れています。有効成分は普通物なので、作業者や住居者に対しての安全性に優れています。
※「普通物」とは、毒物及び劇物取締法に規定する、特定毒物、毒物、劇物のいずれにも該当しないものを指していう通称
土壌処理用のシロアリ防除剤グレネードMC
伝播性のフィプロニルで仲間のシロアリを駆除し、速効性のプラレトリンでシロアリを駆除します。
フィプロニルとプラレトリンを別々のマイクロカプセルで包むことで、それぞれの特徴をうまく発揮できます。
認定番号 公益社団法人日本しろあり対策協会 第3457号
天然除虫菊のシロアリ防除剤天然ピレトリンMC
世界で初めての、土壌と木部の両方に使える天然除虫菊のシロアリ防除剤。除虫菊から抽出したエキスを防蟻成分にしているので環境にやさしいシロアリ防除剤です。
天然除虫菊エキスをマイクロカプセル化して、残効性を確保してます。
土壌処理用 天然ピレトリンMC
木部処理用 木部用天然ピレトリンMC
(土壌処理用)認定番号:白対協 第3476号 JWPA A-4212
(木部処理用)認定番号:白対協 第7296号 JWPA A-5395
テクノガードは土壌処理のみに属しますので、木部には薬剤(サイゴー油剤)の処理が別途必要となります。テクノガードは、白蟻の土壌処理を行いつつ防湿処理を併せて行える施工(グレードアップ)と言えます。
古くて傷んだ基礎の耐震補強や、シロアリ被害の心配を根本的に解消して安心に暮らしたい方がおられましたら、株式会社ナカタまでお気軽にお問い合わせください。